糖尿病の方へ
(株)日本航空インターナショナル 健康管理室 大越 裕文
出発前の準備 飛行中の注意 |
現地での注意 |
出発前の準備
主治医の先生に旅行の可否を相談しましょう。
糖尿病のコントロールが良くなかったり、旅行中に悪化する危険のある心血管系の合併症や出血しやすい網膜症がある場合は、旅行を延期しましょう。
http://www.soc.nii.ac.jp/jsasem/sora_tabi_meeting/1998.html
旅行が可能と判断されたら、以下の準備をして下さい。
●主治医に旅行中の治療計画を相談し、診断書を依頼しましょう。●インスリン注射や薬の内服のタイミング
●英文診断書(インスリン製剤、注入器、針、血糖自己測定機器を携帯していることも記載)
●血糖コントロール状態を改善しておきましょう。
●機内携帯品を準備しましょう。
●英文診断書・治療薬・糖尿病カード
●低血糖予防にブドウ糖のサプリメントとクラッカー
●乗り物酔いをおこす方は、酔い止めの内服薬
●旅行代理店あるいは航空会社へ問い合わせと相談をしましょう。
●糖尿病であることの申告と診断書提出の必要性を問い合わせる
● 搭乗予定便の往復の出発・到着時間と機内での食事時間と回数
●特別機内食のオーダー
●インスリン注射針の持ち込みの制限について
●海外旅行傷害保険へ加入しましょう。
●ただし、糖尿病が悪化したときの医療費もカバーされるか確認しましょう。
参考1)機内でのインスリン治療
●インスリンの種類や注射のタイミングは主治医と相談しましょう。● 一般的には、航空機内では中間型インスリンは使用せず、食事前の速効型(Regular)インスリンか超速効型(ノボラピッドやヒューマログ)を用い、到着地と出発地に時差がある場合速効型/超速効型インスリン量を調整します。
参考2)機内食
多くの航空会社は、健康上の理由で食事内容に配慮が必要な方々に、特別機内食を提供していますので、あらかじめ旅行会社か航空会社に問い合わせましょう。
飛行中の注意
●特別食が用意されていない場合は、食事のカロリーを調整しましょう。●主治医の指示に従いましょう。
●機内ではできる範囲で体を動かしましょう。
●ゆったりとした服装で搭乗しましょう
●炭酸飲料は控えめにしましょう。
●禁酒しましょう。
●水分をきちんと取りましょう。目安は体重1Kgあたり1時間に2mlです。
●耳が痛くなったら、鼻をつまんでつばを飲みこみましょう。
注意)インスリン注射針や血糖自己測定用の穿刺針やセンサーは、機内に捨てると大変危険です。容器に入れて持ち帰りましょう。
現地での注意
●同行する添乗員や同行者に、病状、緊急時の対応方法等を予め説明しましょう。●無理なスケジュールは避けましょう。
●基本的に現地の時間で生活しましょう。